世界がコロナ禍に見舞われた2020年、鶴見大学図書館は2018年末から継続していた改修工事の最中でした。
コロナ感染防止対策に追われる中、急遽コロナ後の社会に対応した施設やサービスの在り方について再検討し、新たな施設やサービスを追加することとなりました。
今年度の総合展では、この一年間を通してwith コロナ、afterコロナを目的として導入した機器やサービスを紹介します。
つながる
■テレキューブ
コロナ禍により就職活動の説明会・面接、講義等のオンライン化に伴い、それらを学生が受講する場所が求められた。
図書館という施設は基本的には静寂な空間であり音がでる設備はそぐわない。ゾーニング等で対応する方法もあるが、利用者が静かに集中して活動することは難しいし、プライバシーも守られているとはいいがたい。そこで密閉した空間でありながら、広々とした景観が形成できる吹き抜けに個室型ワークスブース(テレキューブ:㈱オカムラ)を3台設置した。
就活を主な用途とする場合、キャリア支援関連部署に設置する例が多いが、あえて大学の共用施設である図書館に導入することで所属する学部学科を問わず、かつ多様な用途での利用も可能となった。
就職活動やオンライン講義の受講、サークルの打ち合わせなどで頻繁に利用されている。
■ラーニングコモンズ3
通常の講義の他、YouTubeへのリアルタイム配信なども可能な施設。オンライン講義での教材作成、シンポジウム、動画作成などの用途で活用されている。
探究する
■鶴見大学図書館3D VIEW
来館せずに館内の様子をバーチャルに体験できる。コロナ禍における非来館型サービスの一つとして作成されたコンテンツではあるが、改修工事後の施設紹介も兼ねている。なお当館の内部はGoogleストリートビューにも掲載されているが、本サービスでは、館内にポイントを設定し、施設ごとの解説を見ることができるところに特徴がある。
■3Dプリンター
近年、博物館などで収蔵品の3Dデータ公開が進んでいるが、当館ではこうした公開データを貴重な教育研究資源と位置付け、図書や貴重書のデジタルデータ等と同様に、利用者に提供すべく、3Dプリンターを導入した。
現在、大英博物館、スミソニアン博物館などの世界各国の博物館から収蔵品や文化財のデータをダウンロードし、ミニレプリカを作成・展示しており、今後の利用者への提供方法や授業での利用など模索中である。
なお、今後は作成したレプリカを視覚障害者施設へ寄贈し、立体教材としての活用を企図している。
知る
■れきおん「歴史的音源」
「れきおん」は、1900年初頭から1950年頃までに、国内で製造されたSP盤及び金属原盤等に収録された音楽・演説等、約5万の音源を配信する国立国会図書館によるサービス。サービス加盟館となったことにより、図書館内限定公開音源の視聴ができるようになった。
■オンラインガイダンス 動画、レファレンス
オンライン講義に対応するために図書館利用ガイダンスもオンライン化、動画を作成・公開した。同時にレファレンスでは事項調査のMicrosoft Formsによるオンライン受付を開始した。
ご覧いただきありがとうございました。
コロナ禍対応の中で、図書館サービスを拡大し、新たな教育スタイルに対応できるよう努力いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。