
京都工芸繊維大学の紹介
京都工芸繊維大学は、明治期に開校した京都高等工芸学校と京都高等蚕業学校、「工芸」と「繊維(蚕糸業)」のふたつの高等教育機関の流れを汲む、ものづくりの大学です。
2025年
2024年春、附属図書館リニューアルオープン
京都工芸繊維大学附属図書館は、2024年春、約8カ月の工事を経てリニューアルオープンしました。
【改修のポイント】
今回の改修工事では、特色あるコレクションを所蔵するOnly one Libraryとして「行きたくなる」図書館とすることをテーマに、老朽化した建物の西半分の改修とともに図書館の機能の見直しを行いました。
■「行きたくなる」図書館とするために
■ 目的に応じたゾーニングの見直し
■ 多様な利用者・利用形態への対応
◇「行きたくなる」図書とするために
図書館はキャンパスの正門から見えにくく、場所の分かりにくさが問題でした。今回の改修では、建物周りを整備し、新たに附属図書館の看板を設置しました。

入口周辺はガラス張りになっています。室内照明が明るくなったことにより、外から図書館の中の様子が見えるようになり、入りやすい雰囲気になっています。
◇ 目的に応じたゾーニングの見直し
複数の階に渡って分散していた機能を、各階によって「情報発信」「学修・研究」「対話・交流」の3つの機能に分けて再編しました。
【1階: 情報発信ゾーン】
1階を情報発信ゾーンと位置づけ、企画展示コーナーとブックタワー、常設の展示室を設けました。学内にある美術工芸資料館とのML(Museum&Library)連携企画では、共通のテーマのもと、図書館と資料館の持つ貴重なコレクション資料を展示しています。このほか、学内の研究室ご協力のもと、学生の成果物やプロジェクト発表の場所として活用されるなど、多種多様な情報発信が行える空間となりました。
改修前

改修後


1階と2階をつなぐ階段に、図書館の新しいシンボルとして、ブックタワーを設置しました。定期的にテーマを変えて企画展示を行い、新しい本との出合いを生む場所として活用しています。

展示室では、大学関連資料の常設展示を行っています。図書館が継承してきた資料を通して前身諸学校の歴史を振り返り、どのようにして今日の京都工芸繊維大学に発展してきたのか、その足跡を辿る展示となっています。
この展示室では、詩人の故谷川俊太郎さんから本学に寄贈されたラジオコレクションも展示しています。ラジオの前に長椅子を設け、ゆっくりと観覧できるよう整えました。
改修前

改修後

【2階: 学修・研究ゾーン】
2階に設置していた大学史展示室とグループ学習室を他階に移動させ、閲覧・自習席を増設しました。完全なサイレントフロアとなり、より静かに、集中して学習や調査に取り組める空間となりました。
改修前

改修後

【3階: 対話・交流ゾーン】
3階は対話・交流ゾーンと位置づけ、グループ学習に適した組み替え自由なテーブルを多数配置しています。柱の両面には大型のホワイトボードを備え付け、学生同士のグループ学習やディスカッションに活用されています。このほか、3階には10名程度で予約利用ができるグループスタディルームが2部屋あります。今回の工事で壁面全体にホワイトボードを設えました。
改修前

改修後


◇ 多様な利用者・利用形態に対応
このほかにも、今回のリニューアルでは、入館ゲート手前のエントランス部分に「リフレッシュスペース」を設けました。休憩をとりつつ図書館を利用することができるようになり、館内で唯一、食事がとれる場所としても活用されています。入館ゲートの手前にあるため、館外からも気軽に立ち寄れるオープンスペースとなっています。

3階には新たに、カメラ付きPCを完備した1人用の個室を4室設置しました。オンライン学習のほかにも、インターンシップや就職活動のオンライン面接にも有効活用できるスペースです。自宅で適した環境が整えられなくても、図書館で就職活動が行えるようになりました。

今回のリニューアルで、図書館の利用スタイルの幅が大きく広がりました。図書館では、これからも様々な企画を通して、図書館を利用する方々へ「知を探検する」「知と遊ぶ」拠点として展開したいと考えています。
図書館総合展アーカイブ
京都工芸繊維大学附属図書館について
京都工芸繊維大学附属図書館は、1949(昭和24)年5月の新制大学としての大学創立時に、「京都高等工芸学校(1902(明治35)年設立)」に端を発する「京都工業専門学校」と「京都蚕業講習所(1899(明治32)年設立」に端を発する「京都繊維専門学校」の両前身校の蔵書を引継ぎ、京都工芸繊維大学附属図書館工芸分館及び繊維分館として発足しました。その後、1968(昭和43)年に大学キャンパスの統合整備により両分館を廃止し、現在地に建築されました。館は、1978(昭和53)年、1994(平成6)年及び2004(平成16)年、2023(令和5)に増築・改修が行われ、学生のための快適で豊かな学習環境の提供及び知的交流拠点としての環境を整備しています。
和書 洋書 合計
図書 269,406冊 163,219冊 432,625冊
雑誌 3,076種 2,553種 5,629種