横浜市立大学図書館の学生ボランティア、通称「学生LS」です!

横浜市立大学 学生LS 

 ~学生への貢献と地域への貢献~ 

 

 横浜市立大学・金沢八景キャンパスの図書館、学術情報センターとそこで活動する学生ライブラリスタッフ(通称:学生LS)による、本学所属学生への貢献と地域への貢献に関するご紹介です。

 

学生への貢献

 最初は学生への貢献についてです。学術情報センターでは、本学に通う学生の学修・研究支援のために様々な取り組みを行っています。そのなかでも、今回は私達学生LSが学生に向けて日々行っている活動や企画についてご紹介します!

 

1. 学生LSとは

 そもそも学生LSとは、主に学術情報センターで利用者の「こんな本を探したい」というような図書館利用に関する相談や学生の「履修について迷っている」というような学業に関する悩みまで様々な問題を解決する学生スタッフのことです。そのほかにも、学術情報センターを快適で楽しい空間にするために、Twitterでの情報発信、図書館ツアー、わかりやすい利用案内の作成や「小説から学問へ」のような展示企画などを幅広く行っています。
LSカウンターの写真


2. 活動紹介

 学生LSは、学生の学びをサポートする活動をしています。1階レファレンスカウンターにて利用者の方の質問にお答えしたり、館内ツアーや学生LS発案の企画を行ったりなど、活動は多岐に渡ります。

 そのなかでもレファレンスカウンターでの活動をするためには、3ヶ月ほどの研修期間があり、館内ツアーや図書館で受けられる主なサービスについてマスターするための練習を行います。この研修が終わる頃には館内の資料の位置や、学外の資料の取り寄せ方法が分かるようになります。

LSデスクの写真LSカウンターの写真

 ここからは、学生LSが行った企画について、いくつかご紹介していきます。

 

3. 企画紹介①小説から学問へ

 新入生に、大学で学ぶことができる学問の幅広さやその魅力を伝えたい! まずは、専門書よりも手に取りやすい小説やノンフィクションで、気軽に楽しみながら学びを深めるきっかけにしてもらえたら… そんな思いから誕生したのが、「小説から学問へ!」という展示企画です。

 横浜市立大学の5学部(国際教養学部、国際商学部、理学部、データサイエンス学部、医学部)、さらにそれぞれの学系で学ぶ学問をまんべんなく抽出して選書し、1冊ずつあらすじやおすすめのポイントをまとめたリストを作成しました。

Document


 学際的な学びを支援したいという思いから、あえて「○○学部」と限定した書き方を避けつつも、その学問が扱われる学部ごとにリストやPOPの色を変えて掲示することで、ひと目でわかるアクセス性との両立を図りました。

 企画「小説から学問へ」実施風景

 

4. 企画紹介②館内案内の作成

 学術情報センターは横浜市立大学の学生はもちろん、一般の方の利用も可能です。館内は開架と書庫に分かれており、書庫の利用には手続きを行う必要があります。そのため、書庫への行き方や書庫に何があるのか分からず手間取ってしまう人も......

 そのような事態を避けるため、学生LSでは案内看板を作成・設置しました。受付場所や相談場所などが一目で分かるよう、工夫を凝らしています。もし学術情報センターで分からないことがあったら、ぜひこの看板をご覧    ださい!

企画「館内案内の作成」実施風景

 

5. 浜大祭(学祭)での活動

 横浜市立大学・金沢八景キャンパスでは11/5, 6に文化祭(浜大祭)を開催します。学生LSは、「図書館についてもっと知ってもらう」ことを目的に、学術情報センターでクイズラリーを開催する予定です。クイズを通して、請求記号の見方や図書館の機能、本学図書館の特徴を知ることができるよう作問しています。学外からも参加可能となる予定ですので、是非足を運んで頂けますと幸いです。

 

 

 

地域への貢献

 ここまで、学生LSによる本学所属学生のための活動についてご紹介してきました。しかしながら、当館では神奈川という地域、そしてそこに住まう住民の皆様へもサービスを提供しています。今回は地域関連資料と市民利用サービスについてご紹介します。

 

1.1. 多種多様な地方史関連の資料

 横浜市立大学の特色あるコレクションとして、地方史関連資料があります。47都道府県全ての地方史関連資料があるのですが、横浜・神奈川の資料は特に多く所蔵しているため、特別にエリアを設けて配架をしています。また、時代の幅も広く、昨今の様々なデータから近現代の歴史、江戸時代の横浜の絵巻物まで所蔵しています。「どこかで見たことがある」と感じるような、有名な絵巻物も所蔵しているかもしれません。

 

1.2. 本館に所蔵されている横浜関連資料例

 『珍版 横浜文明開花語辞典 舶来語と漢字の出会い「宛字」集』は本館に所蔵されている地域関連図書の一つです。

 開国により横浜には次々と西洋文化が流れ込みました。秋桜、硝子、珈琲など…。日本人は初めて見聞きした外来語には「宛字」を作り、あらゆる物事を表現しました。この本は、日本の玄関口であった横浜らしい一冊と言えるでしょう。劇的に変化した社会の中で、異国文化を受け入れ、それを伝えるための努力が垣間見られる資料です。

『珍版 横浜文明開化語辞典:舶来語と漢字の出会い「宛字」集』

 

 

『珍版 横浜文明開化語辞典:舶来語と漢字の出会い「宛字」集』、蟻田善造, 田中あづさ/ 著、光画コミュニケーション・プロダクツ (2007/02/16)

 

 

 

 

 

2.1. 市民利用サービスとは

 学術情報センターでは、当館では所蔵していても県内の公共図書館などでは所蔵していない資料を調査・必要としている方々に提供しています。利用方法には「市民利用制度」と「閲覧利用制度」の2種類があります。前者は神奈川県内に在住・在勤の満20歳以上の方を対象に、資料の閲覧だけでなく、貸出や書庫への入庫利用及び他機関からの資料取り寄せができるサービスです。後者はお住まい・年齢による制限がない代わりに資料の閲覧・複写のみができるサービスです。

 

2.2. コロナ禍による市民利用の制限とサービス再開

 新型コロナウイルスの流行により、学術情報センター全体で入館・利用の制限を行っていた影響で、市民利用サービスも停止していました。しかし、202268日に入館制限が解除され、このサービスも再開しました。再開後、学外利用者数は下記グラフのように増加し、さらにコロナ前と比較すると、学外利用者数の増減率は、再開直後の6月は約-80%だったのに対し7月は約-55%と回復しています。このような順調な回復ぶりは、長きにわたり地域住民の皆様の研究や調査を支え、今もなお必要な存在であるからではないでしょうか。

学外利用者推移

 

2.3. 市民利用サービスに関するアンケート調査

 市民利用サービスに関連して、学外の方の利用方法についてアンケート調査をし、学術情報センターの職員の方約20名のうち、16人の方から回答をいただきました。この調査は20228月から9月にかけて、用紙に記入してもらう形式で実施しました。

 学術情報センターを利用される学外の方は、高齢の方の割合が高いようですが、高校生が見学に来ることもあります。利用時間に関しては、新型コロナウイルスの影響を受けてサービスを一時停止した2020年3月以前と比較すると短くなったという声がありました。

 学外の方の利用方法について、①資料の閲覧、②資料の借用・返却、③その他のうち、どれが多いのか調査しました。その結果、①資料の閲覧が最も多く、回答いただいた職員さんの全員がこの項目にチェックをつけていました。次に多かったのは②資料の借用・返却で、これは9割の職員の方が選んでいました。その他には、学術情報センターが所蔵する電子ジャーナルの印刷提供や、他機関の資料利用の依頼といった利用もなされているという声がありました。

 また、なかにはレファレンスサービスを利用する方もいらっしゃるそうです。とある職員さんが学外利用者の方に論文の探し方を質問され、一般公開されている論文のデータベースである「機関リポジトリ」をご案内したという例もありました。この調査から学外の方が学術情報センターを幅広く活用されていることが分かりました。

 

おわりに

 このように、横浜市立大学学術情報センターは、本学所属の学生だけでなく地域へも貢献しています。しかしながら、学生に貢献しているのはもちろん私達学生LSだけでなく、学術情報センター全体でも企画の実施やレファレンス対応などを行っています。さらに、私たちの活動に関しても、広報誌の発行など今回ご紹介しきれなかったことがまだまだあります。もし、このポスターセッションを通して興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、ぜひホームページやTwitter等もご覧いただけますと幸いです。

学術情報センターHP
学術情報センターTwitter:横浜市立大学学術情報センター(図書館)(@YCU_lib)
学生LS Twitter:横浜市立大学学生ライブラリスタッフ(@Yokoichi_LS)

 

 最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 

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