研究資料室では,言語の研究資料を保存・提供しています。
そんな資料室の「いままで」と「これから」をご紹介しましょう。
国立国語研究所 研究資料室 です
~いままでと,これから~
ようこそ研究資料室へ
東京・立川市の国立国語研究所の3階,あまり目立たない一角に「研究資料室」があります。
この資料室は,「カード保管庫」「メディア保管庫」そして「中央資料庫」からなっています。研究所の3階北側フロアの大半は,これらの資料庫が広がっています。
3つの資料庫に,国立国語研究所が創立以来の調査・研究において収集・作成した資料(調査票,情報カード,収集音源・映像,語彙調査雑誌,言語地図など)を保存し,研究者に提供しています。
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カード保管庫には,語彙調査で作成されたカードが,カードボックスごと保管されています。あまりに多いため正確な数はわかりませんが,ざっと数十万枚ものカードが収納されています。
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メディア保管庫では,過去の言語調査で収集されたデータを格納した,各種メディアを保管しています。
今や,あまり見ることのできないカセットテープ・オープンリールテープ・VHSテープから,比較的最近のフロッピーディスク,CD-ROMまで,形態は多種多様です。これらのメディアについてはデジタル化を進め,所内限定の音声・映像データベースで視聴することができます。
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中央資料庫では,紙の資料を,研究プロジェクトごとに資料群として管理しています。現在,公開されている資料群の数は270件あまり。ゆうに4,000箱を超える資料が中央資料庫に保管されています。
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資料移管と概要づくり
研究所で進められているプロジェクトが終了すると,その資料群が研究資料室に移管されます。資料を受け入れたあと,研究資料室では随時,目録化を進めていきます。
その際,大事なのは資料群の「概要」です。いつ・だれが・何のために,どんな資料を作成したか? 紙やメディアが何箱分あるか? 生み出された成果や,関連するプロジェクトは何か? …といった情報を,クリアーに把握できるようにするのが概要の役目です。
ひとつひとつの資料群概要は,研究資料室収蔵資料のページで公開されています(下の「リンク集」からもご覧いただけます)。
過去の調査を役立てる~話しことば研究「談話語の実態」から70年~
移管された研究資料は,そのまま収蔵されているわけではありません。過去のものであっても,次の研究や教育に役立てるために保管されています。
アーカイブされた資料が,どんなふうに活用されているのか…? この続きは,図書館総合展用のスライドムービー「『談話語の実態』(1952-53)の昔と今」(約3分)をぜひご覧ください。
「談話語の実態」という,世界で初めての均衡したデータによる話しことば研究から70年。その研究資料が現代のコーパスに役立っています。
資料を閲覧するには?
公開済みの資料群をどうすれば閲覧できるのでしょうか。
調査・研究・教育を目的とする場合,事前の申し込みにより,研究資料室の収蔵資料を閲覧することができます。くわしくは,下の「リンク集」からご確認ください。
いま,どんなデータをつくっているの?~収蔵資料目録の整備~
いままでは,資料群ごとの管理を基本としてきました。その方法が定着して,ようやく資料1点ごとの目録をつくることも可能となりました。
名づけて「研究資料室収蔵資料目録」です。長い名前ですが,1点ごとの収蔵資料について,タイトルや年代,さらに形態の把握が可能になりつつあります。この目録に登録された資料は,まだ箱全体の1%ほどですが,現在も資料1点ごとのデータを日々,追加しています。どうぞご期待ください。
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【リンク集】
国立国語研究所 研究資料室
閲覧を希望される方は,必ず来所予定日の1週間前までに,上記サイト内のメールフォームにより「国立国語研究所 (代表) 」にお問い合わせください。
国立国語研究所 研究資料室収蔵資料
このページでは,研究資料室に収蔵された各資料群の概要を公開しています。
研究資料室収蔵資料目録(試行版)
研究資料室では,収蔵資料の全点目録を作成しています。このページでは,研究資料室収蔵資料目録の試行版を公開しています。
研究資料室 紹介動画(You Tube)
2021年9月10日に開催された,国立国語研究所オープンハウス2021で公開した紹介動画です。国語研究所のあゆみのなかで,どのような研究資料が作成されてきたかを紹介しています。